その1は、国税庁から相続・贈与税の路線価が発表されたことです。1月1日現在の地価を算出しているので、公示価格と時点が変わらず、従って本来はそう大きなインパクトはないのですが、実際は公示価格が点的な数字なのに対して、面的な処理がなされる数字であり、実務上は税収や具体的な相続などに、大げさにいえば絶対的な影響力を持つ数字という意味で、経済的には大きな意味があります。
次のニュースは、6月の日銀短観で大企業・製造業景況指数(DI)が3期連続悪化し、景気停滞が懸念される状況と伝えられました。
3番目は、石油元売り各社が一斉に卸値を引き上げ、ガソリンが180円突破したことです。企業収益が伸び悩む一方、国際商品はエネルギー、穀物などが、相変わらず投機的な動きを強めて、国内の食糧を始めとする消費財の値上げラッシュに、勢いがついてきたことが大きく取り上げられました。
経済の原理からいえば、購買力が一定ならば、価格が上がれば購入量は減少することになりますが、購買力に余剰があれば購買力の限界まで価格は上がる余地があることになります。ガソリンもどうやら、未だ限界購買力まで達していないらしく、販売数量に大きく影響が出ているとは聞いていません。逆説的にいえば、自動車を持つ階層は、ガソリンの値段が倍になったくらいでは、多少他のものを切りつめる程度で切り抜けられるということのようです。
そうこうしているうちに、エネルギーや穀物の暴騰を受けて、物価の優等生といわれた卵を始め食料品すべてが値上げされ、影響はエンゲル係数(いまや死語か?)の高い低所得層ほど大きく影響をうけることになります。
これらの経済のニュースは、政治の無策批判へと続くのですが、今週末の洞爺湖サミットも政権維持のパフォーマンスにされては、国民の閉塞状況はさらに酷くなってしまうことでしょう。政治のための猶予時間は、刻一刻と迫っていることを為政者は知って欲しいと思います。
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