一方、昭和30~40年代に建てたマンション群や戸建て住宅は建て替え時期を迎え、公共施設や橋りょうなどの社会的インフラも地震防災などの観点から更新時期のものが増えています。今のような社会的な不安感が広がっているときだからこそ、多少の建設国債は発行してもすそ野の広い公共事業に税金を使い、社会資本の充実を図るべきなのではないでしょうか。
輸出産業が不況へ突入し、トヨタですら赤字目前の状況では労働力調整は火を見るより明らかです。来年の大卒は内定取り消しの声が出始め、社会問題化しそうです。来年に失業者が大幅に増加するというなら、それをどう回避するかは政策の問題です。かつてイギリスの近代経済学者J・M・ケインズは、雇用を創出するためなら道路に穴を掘ってそれを埋めることさえも有効と説いていましたが、その具体化があのルーズベルト大統領の「ニューディール政策」で、大恐慌を終焉させたのは有名な話です。日本が今、予測できる失業者の群れを政策的に回避する手段は、インフラの更新事業を大規模に行って有効需要を創出することだと思います。方法は古くても、必要なのは議論ではなくスピードなので、羮に懲りて膾を吹く(あつものにこりてなますをふく)ことにならないように的確な政策を打ち出して欲しいものです。
どうも明るい話題がないのは世相のせいですが、今回の「緊急対策」も来年回しとなりそうで、ちっとも緊急ではなくなりそうです。悲しいことに為政者の鈍感さにはもう慣れてしまいました。
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