不安定な社会

 最近の世相を称して「価値観の多様化」といわれていますが、そのことは、国という集団の方向が定まりにくいことを意味しているのではないでしょうか。
 先日の山口2区の衆議院補欠選挙では、自民党の牙城のはずが民主党の勝利に終わりました。その原因は、いろいろな声を総合すると、ガソリン暫定課税の問題よりも、後期高齢者医療保険制度の混乱の方が大きく響いたようです。
 本来、自民党の大票田である高齢者が、今回の補選ではそっぽを向いた結果だとすると、はなはだ不謹慎な言い方で恐縮ですが、自民党をぶっ壊すと宣言していた小泉元首相が、密かに自民党を壊すために埋め込んだ地雷だったのではといったら言い過ぎでしょうか。当然のことながら今回の敗北は自民党にとってはショックだったようで、党内での意見が割れ始めています。民主党も一枚岩ではありません。
 すると結果として見えてくるのは、通称ガラガラポンという政党再編があるのではないかということですが、選挙民が多様な価値観を持つ以上、民主政治では多様な価値観の代表が選出されるのは必然なので、そのような社会では小党分立、連立政権は日常的になります。
 民主主義とはこのような時こそ必要な政治制度で、政権を多数派が占めることが許される制度なのですが、市民の価値観がある程度集約されるまで社会は安定しないので、歴史を振り返ると、第2次世界大戦前のドイツ、イタリア、日本を始め、こんな時にはファシズムが台頭しやすいのです。つまり、民族主義のような単純な思想を前面に出すことによって、その他のすべての価値観の相違をその中へ集約してしまうのです。
 有り様は少し違いますが、中国がチベット問題で世界中の批判を浴びているときに、中国の若者を中心に反仏、反欧のナショナリズムが台頭しているのも、多様な批判を覆い隠すことになるので注意したい動きのひとつです。
 日本は、戦後60年以上平和のうちに経済繁栄を続け、平和の配当といわれてきました。この多様な価値観をお互いに大事にして、他の価値を否定するのではなく、平和を守ることを中心におく社会を作り続けていきたいものです。それでこそ経済が豊かになり、安定した政治が期待できると思うのです。

=不動産・相続のご相談は、安心と信頼の中西アセットコンサルティングへ=

公金横領

茨城県の国民健保連で、3年間で10億円の横領が発覚と報じられましたが、桁の多さもさることながら、公のお金の管理がこんなに杜撰だったことにショックを受けてしまいました。報道では3年間に100回以上繰り返されていたらしいのですが、一人でこれだけの金が簡単に横領できるとすれば、全国にある都道府県国保連の管理も似たようなものではないかと思えるので、背筋が寒くなる思いです。
 金融機関であれば、かつては1円の誤差のために決算が打てず徹夜になったという話も良く聞きましたが、公会計は大福帳(単式簿記)なので以前は問題があり、その都度改善を指摘され、コンピューター化に伴ってかなり改善されたと聞きました。
 しかし、今回のニュースは、原因はよく分かりませんが、決算を2回も通っているところを見ると、システムに問題があるとしか考えられず、チェック機能が全く働かないことだけは確かなようです。こんな杜撰な管理をしておいて、一方では後期高齢者医療保険制度の新設をどう説明しても、国民の納得が得られるはずがないというものでしょう。今回の横領事件で一番重要なことは、横領職員を肴にすることではなく、なぜそんなことが出来たのか、なぜ決算が通ってしまうのか、システムのどこに問題があったのか、どう改善すべきなのかを隠すことなく公開し、速やかに各界の有識者を集めて検討のうえ、2度と起こせないシステムをつくることにあります。
 マスコミも、ギャンブルに使った(蛇足ですが、筆者は報道されていない話があるように感じています)などとおもしろおかしく伝える前に、雁首を並べた幹部職員に対しての取材時に、頭を下げて言い訳をさせるよりも、真の原因を追及する方が先だと思うのですが、筆者の考え方は堅すぎるのでしょうか。繰越金で穴埋めして済む話ではなく、責任をはっきりさせなければならないことだと思うのですが。(それにしても10億もの大金が、繰越金で簡単に穴埋めできるこの機関はいったい何なんだと言いたくなります。)
 ところで、気になるのはこの事件の解決を指揮すべき官庁は厚生労働省ですが、今やその信頼感は地に落ちた感があります。それでも筆者は、厚労省の大多数の優秀な官僚を信頼せざるを得ないのですが、今回の事件にコメントが出ていないのは腑に落ちません。国民の信頼回復のためには素早く反応することが必要だと思いますので、他の類似団体に飛び火することのないよう速やかに行動して欲しいものです。

=不動産と相続に関するご相談は、安心と信頼の中西アセットコンサルティングへ=

混乱は誰のせい?

 後期高齢者医療制度が4月から施行され、2年前に成立したはずのこの制度が施行されたとたんにまた混乱を招いています。おそらくその原因は、トラブル続きの年金問題が解決もしないのに、その年金から天引きするという制度にあるのでしょう。
 しかし、混乱の本当の原因は3つの点にあると考えられます。その一つは、直接的には制度の改定の周知に手抜かりがあったこと、この責任は行政、すなわち厚生労働省にあると思います。次は、2年前に法律を改定する際にその問題点を見抜けなかったこと、今になってあれこれ言うのは、かなりアリバイ工作のように思えますが、この責任は立法府に籍を置く議員先生が負うことになるのでしょう。
 ところで最後の一点は、そのような制度改定を許した立法府をつくった選挙民、つまり私たちが最終責任を負わなければならないのが民主政治のルールだと思います。小泉内閣の時に、与党に3分の2の信任を与えた結果がもたらしたものとすれば、その結果は甘受せざるを得ないものでしょう。この結果に今日異議を唱える政治家は、自らの政治行動の不明を恥じるとともに、誤った政治を立て直すために働くことは、一つの責任の取り方ではあると思います。政治家は正しいと考えれば、一千万人といえども我往かんの気概が必要なのですから、君子豹変でも、頑固一徹でもいいので、その当否の選択は選挙民が行うことです。
 さて、選挙民は選挙結果を甘受することで責任がとれます。立法府の議員は君子豹変が出来て、選挙の洗礼で責任をとることが出来ます。すると、行政の責任は誰がとればいいのでしょうか。筆者にも名案は浮かびません。
 ところで、行政権限が強大なことは近代民主主義国家では普通のことです。日本は明治以来、欧米列強に追いつけ追い越せを合い言葉に強固な官僚制度を構築し、優秀な人材を官僚として育て、そのリーダーシップの下に21世紀まで引っ張ってきたのですが、どうやら制度疲労が出てきたようです。税金の無駄遣いも、高級官僚の汚職も、責任が曖昧な制度が腐敗してきたと考えれば納得がいくという気がします。すると、行政機関の管理職には身分の安定を与えず、強大な権限・待遇と引き替えに行政責任を課することがその解決策といえるのかもしれません。もっとも、日本にはこのような制度が簡単に根付くとは考えにくいことも事実ですが。行政の監視者であるべきマスコミの傾向も、批判者としての視点が薄れているようで、行政の責任追及が本質を離れてその場限りに流れては、行政改革の道は日暮れてなお遠いと言うところでしょう。

=不動産と相続に関するご相談は、安心と信頼の中西アセットコンサルティングへ=

都市再開発

 今JR戸塚駅西口の再開発が進んでいます。横浜市内では、新横浜周辺やみなとみらい地区等の開発が進んでいますが、歴史の長い横浜市内では、地域のインフラ整備を進めるために再開発が望まれている地区が多数あります。
 都市機能は、時間が経つにつれて道路の拡幅や歩道の拡充が必要になったり、バリアフリーや環境緑化が要求されて、既成市街地を再開発する必要が出てきますが、実現までには地権者の合意などに実に長い時間がかかります。そこで、行政機関が調整役として機能することが求められるわけですが、地権者の利益を調整し、まとまった意見に集約するためには、再開発後のビジョンが現状より明るいものであるだけでなく、それぞれの地権者にメリットが得られるものでなければ出来ません。従って、ある程度力量のある行政機関が介在する必要があるので、政令市クラスの都市が中心になるのですが、そのために大都市集中がさらに進むこともありますので、国が調整を進める必要がある場合もあります。
 都市化が進むにつれて、再開発が必要となる地域は、商業施設が集中している場所がメインになりますが、一方では消費者の動向も把握していなければならないわけで、結局のところ新しい町を形成することになります。東京の六本木界隈の再開発で、六本木ヒルズや東京ミッドタウンなどがつくられ、新名所になっているのはその一例ですが、神奈川県内でも横浜市や川崎市などで再開発が進んでいます。
 このように地域の生活を快適にする事業には、やはり税金を使うことになりますので、地域の都市計画に市民が関心を持たないわけにはいきません。この4月からガソリンの暫定税率が廃止されたのを契機に、税の問題が注目を集めていますが、必要な事業にストップをかけられては困りますので、政治の行方には関心を持って見守りたいところです。

=不動産と相続に関するご相談は、安心と信頼の中西アセットコンサルティングへ

さくら・ガソリン・日銀総裁の三題話

 首都圏は今さくらが真っ盛り。さくらといってもいろいろな種類があります。2月辺りから早咲きで話題になるのが南伊豆のカワヅザクラ、沖縄のカンヒザクラ。3月になるとオオシマザクラ、次いで気象庁から桜前線が発表になるのは、おなじみのソメイヨシノでここ1週間が満開です。これが散り初める頃にヤエザクラが開花し始め、4月末にはヤマザクラへと続き、5月には葉桜から新緑が目に鮮やかになることでしょう。
4月はさくらと共に、ニューフェイスのデビュー時期でもあります。大学生が親と一緒に入学式なんぞといった光景も今は普通になり、入社式ですら親同伴などという、嘘みたいな話がささやかれる今日この頃ですが、子供は何時になったら親離れできるのでしょうか。いや、もしかすると親は何時になったら子離れできるのでしょうかと言うべきなのでしょうか。
 閑話休題、ついにガソリンの暫定税率が期限切れになり、25円の値下げになりました。暫定税率が田中内閣以来続いていたことの是非はともかく、首相や環境大臣の発言には違和感があります。ガソリンの値下げが地球温暖化の元凶と言わんばかりの発言は、値下げをすれば無駄遣いをするに決まっているとの決めつけに聞こえます。しかし、首相や日本経団連の首脳が異例な春闘賃上げ容認を発言したように(しかしその意に反して、賃上げはほとんど期待はずれのようですが)、今日本は可処分所得が減少している中で、せめてガソリンが安くなることに僅かな救いを感じている庶民の感覚が、為政者には理解できないのでしょう。今日ではガソリンを無駄遣いできる余裕などは、一部官僚と一部政治家などの富裕階層を除いてはないのが市民感情でしょう。そんなことを気にするよりも、アメリカのFRB議長や財務長官が決断してパニックを回避した、ベア・スターンズ証券の破綻への対応の早さから、日銀の総裁が不在の日本の状況に暗い予感を感じて欲しいものです。政治不在の日本からは外国資本も逃げ出します。そうならないように、強力なリーダーシップを持った政治が出現するよう強く望みます。

=不動産・相続のご相談は、安心と信頼の中西アセットコンサルティングへ=

Calendar
<< July 2020 >>
SunMonTueWedThuFriSat
   1234
567891011
12131415161718
19202122232425
262728293031
search this site.
tags
archives
others
admin

1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | 13 | 14 | 15